「差し引き収入をUPさせるには、賃料をUPさせた方が良いのではないか」、「なぜ運営経費の見直ししか紹介しないのか」と感じられた方もおられるかと思います。
実際、表面利回りのみで投資の判断をしてしまう個人投資家(購入者)は今でも存在します。
又、もし立地や築年数などが同じで、NOIも同じ金額の収益物件で「管理費が安い物件」と「家賃収入が大きい物件」があった場合、確かに同じNOIであっても後者の物件の方が魅力的な収益物件といえるかもしれません。
しかし、殆どコストが発生しない運営費の削減と違って、賃料をUPさせるには、リノベーションなど何らかの投資が必要となります。リノベーションを行えば、物件は良くなるでしょうから、確かに賃料のUPは見込めます。 しかし、リノベーションに投じた金額に見合うだけ、賃料や売却価格がUPしてくれるとは限りません。現実的な話をすると、残念ながら、立地や構造上その他要因により、リノベーションを実施しても賃料上昇幅が小さい物件もたくさん存在するのです。 従って、リノベーションを実施する事により賃料が上がるからといって、リノベーションを行う事に投資価値があるとは限らない訳です。

又、リノベーション会社の中には、以下のようなプランを平気で提案している会社もあるようですが、当サイト管理人としては、とても提案できません。(具体的に当サイト管理人が、親しい大家さんから過去に見せて頂いたリノベーション会社のプランを紹介します。金額は解りやすいように多少変更しています。)

リノベーション会社による空室解消リノベーションの提案例

改修費用 空室3室×300万円=900万円
改修前年間賃料 0円
改修後年間賃料 10万円(月)×12か月×3室=360万円
年間増額収入 360万円
投資回収期間 900万円÷360万円=2.5年
投資利回り 360万円÷900万円=40%

提案例を見て気付かれた方もおられるかと思いますが、改修実施前の空室賃料が0円と計算されていますが、本当に0円で計算する事が正しいのでしょうか?
確かにリノベーションによって、それまで空室だった部屋が10万円で成約するようになったのかもしれませんが、例えば改修前に8万円で募集していても本当に成約しなかったのでしょうか? もし、募集金額を下げさえすれば成約する部屋であれば、改修前の賃料を0円と計算している事に問題があります。

もし、改修をしなくとも賃料8万円なら成約していたのであれば、提案書には下記の表のように記載すべきではないでしょうか。

改修費用 空室3室×300万円=900万円
改修前年間賃料 8万円(月)×12か月×3室=288万円
改修後年間賃料 10万円(月)×12か月×3室=360万円
年間増額収入 360万円−288万円=72万円
投資回収期間 900万円÷72万円=12.5年
投資利回り 72万円÷900万円=8%