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収益不動産の売却を行う前にやっておくべき事、知っておくべき事:多数の買取・購入希望者との話から解った「収益物件を賢く売却するコツ」をご紹介。
「高利回りでしか購入希望者がいない」、「不動産管理費が高い」状態を改善し、収益不動産を高値で売却するには。


収益物件を賢く売却するコツ

一般的に収益物件では、戸建てなどの一般不動産と違い、収益還元法に基づく利回り相場で売却される事が一般的です。
利回り相場については、立地・築年数・用途などによって異なります。まずは、ご所有の収益不動産の類似物件をインターネットなどで探し、どのくらいの利回りで売却されているのか確認されてみると良いでしょう。但し、WEBに掲載されている情報は、あくまで売主の売却希望価格が掲載されているだけに過ぎません。
従って、WEBに掲載されている収益物件は、実際に取引が成立している売買相場と比べると、かなり割高な物件情報の可能性が高いです。しかし、その辺りの事を踏まえた上で、自身の物件ならどの程度の利回りで取引できるのかざっくりした目星をつけるには、インターネットは大変便利な情報源ですので是非上手に活用して下さい。
又、売却までに時間的余裕があり、不動産価格の相場が下落している局面でなければ、仲介業者からの査定金額を参考に少し強気の価格で売却に出してみるのも一つの方法かもしれません。

「収益物件を賢く売却する」といっても多額の費用が掛かるなら・・・・
収益物件の売却について色々とネットで検索されている方なら、「改修工事や権利調整などの追加投資を実施した結果、相場以上の高値で売却する事に成功した。」といった成功事例が掲載されたホームページを一度はご覧になられた事があるのではないでしょうか。 検討の結果、当サイトでは、多額の追加投資が必要となる売却事例の掲載を見送り、殆ど費用を掛けずに行える方法のみを掲載する事にしております。理由は、残念ながら投資金額を大きく上回る価格上昇を実現する「真のバリューアップ」が可能な収益物件など、経験上めったに存在しないと感じるからです。 「物件を2千万円のコストで改修した結果、予定より5千万円高く売却できた。」といった、理想的なバリューアップ成功事例が掲載されているサイトをよく目にしますが、ちょっと眉唾かなと感じる事例紹介が多いのが正直な感想です。
例えば、「そもそも、想定売却価格が実勢相場より抑えて評価されているケース。」や「2004年〜2007年に掛けて不動産価格自体が上昇していた最中の売却事例。」などは、バリューアップと何ら関係が無いと感じる典型的な例です。 勿論、改修工事や権利関係の正常化などにより、「「売却時のリターン」が「投資額」を大きく上回るプランが描ける収益物件も存在はします。 しかし、プロが実際に現地に赴き、「収益物件が置かれた環境」や「ポテンシャル」など、時間を掛けて精査をしなければ解りませんし、そもそもプランが描ける物件自体が少ないので、このサイトで紹介する意味がないと思い掲載を見送っております。
当サイトで紹介する方法は、地味ですし、劇的なバリューアップは生まないでしょうが、きっちり取り組めば、殆どの収益物件でコスト以上の効果が出ると思います。
ローリスク・ローリターンですが、積み重ねると案外大きな差になる売却のコツ、ぜひ試してみて下さい。
尚、当社では、そもそも本当に今、不動産の売却を行なう必要性(メリット)があるのか?もし売却を行なうなら、どのような売却方法・売却時期がベストなのか? 相談者の方の売却理由や資産状況などを基に、第三者的立場から様々なアドバイスをさせて頂く「収益物件売却事前相談サービス」と売却開始前に収益物件の収益力を上げるお手伝いをさせて頂く「管理コスト削減サービス」を開始しました。 両サービスについての詳細は、当サイトスタッフまでお気軽にお問合せ下さい。
(現在、関西エリアのみのサービスとなっております。又、時期などにより、当社担当者のスケジュールが付かない場合、お断りさせて頂く事がある事をご了承下さい。)

まずは、「収益物件の売却査定価格はどのように計算されているか?」について理解しましょう。
不動産仲介業者による収益物件の売却査定価格(売り出し価格)は、表面利回りで計算されている事が一般的です。
【年間家賃収入÷表面利回り=査定金額】
例:(年間家賃 26,000,000円)÷(表面利回り 10%)=(査定金額 2億6000万円)と計算しています。
後は、物件の状況・築年数・立地などで補正を行い、相場に即した合理的な売却(査定)金額で値付けが行われているのです。
以上のように、収益物件の売り出し価格は、「年間家賃収入」と「表面利回り」で決定されている事が一般的です。但し、当たり前の事ですが、規模や収入が同程度の収益物件であっても、物件によって必要な管理コストは異なります。 最近の投資家は、バブル期と比べ勉強熱心な方が増えており、単純に年間収入から計算された「表面利回り」だけではなく「経費控除後の年間収入(NOI)でどれだけの利回りとなるか」まで計算した上で物件の購入を行うのが一般的になりつつあります。 このような買主側の変化を踏まえ、売主側でも売却予定物件の賃料収入UPのみで満足せずに、「投資家から見て魅力的なNOI利回りが高い物件」を目指すスタイルに変化すべきではないでしょうか。
又、上の計算式を見れば、仲介業者から提案される収益物件の査定価格が、「収益物件から得られる年間収入」だけではなく、「収益物件の利回り」からも決定されている事がご理解頂けると思います。
つまり、収益物件の売却(査定)価格を最大化しようと思えば、「年間収入」と「利回り」のどちらかだけではなく、両方の値が変わらなければならないのです。
では、次の項から上手に売却する為には、「年間収入」と「利回り」の値を変えるには、具体的にどんなアプローチ方法があるのかを見ていきましょう。

@年間収入について
収益不動産の案内書に記載された売却価格(査定金額)は、年間収入をベースとした表面(粗)利回りで計算されています。 しかし、実際に投資家が購入を検討する場合、「年間家賃収入」から「年間管理費」を引いた「差し引き収入(NOI)」で計算を行います。 このNOIは、物件を運営する上で、誰がどんなスタンスで運営したとしても毎年必ず必要となる費用、つまりランニングコストのみを管理費として計算する事が一般的です。 つまり、NOIには、「原状回復費、リーシングフィー、消耗品費、大規模修繕費」などの費用は含めずに計算を行っている訳です。 尚、この年間収入の項目では、「差し引き収入(NOI)」をUPさせる方法として、管理費削減のみを紹介し、空室解消などによる賃料収入UP方法については意図的に記載しておりません。(賃料収入UPについて)
管理費の見直し
管理費の主な物としては、清掃代、EV保守メンテナンス費、塵芥処理費、貯水槽清掃、消防点検、機械警備費、火災保険料、固定資産税などがあります。又、規模や用途によっては、害虫駆除費、キュービクル保守点検、機械式駐車場点検や特殊建築物定期検査などの経費が必要な収益物件もあります。
これらの管理費を下げるには、色々な方法があります。例えばPM業者など、不動産管理のプロが管理経費の見直しを行う場合は、底値や原価がどの程度なのか把握していますので、金額算出の根拠と共に指値を提示してメンテナンス業者と交渉を行っているのが実状です。
又、今まで管理費の見直しを行った事がなく、これから始めて収益物件の管理費を見直すという方の場合であれば、まず相場を把握するためにライバル業者に見積もりを依頼する事から始めてみるのも手でしょう。 ちなみに、業者に相見積もりを依頼する上で注意すべき点は、「@単価を比較する。A金額は開示しない。B相見積もり先の業者を既存業者の叩き台に使わない。」の3点が重要だと個人的には思います。 以下にその3点の注意点について、それぞれご説明していきます。

  1. 単価を比較する
    複数の業者を同じ土俵で比較するには、合計金額ではなく単価の一つ一つをきちんと精査・比較する必要があります。
    もちろん見積書には、依頼内容に必要な金額が記載されているのですが、施主が同じ依頼をしていても、業者によってその業務範囲の捉え方が違う事は珍しい事ではありません。 入居者の利便性を考えた結果、「夜間工事」が必要だと考える業者もいるでしょうし、業美観の基準は人によって違いますから、業者によって必要と考える「清掃の時間や回数」が違う場合もあります。 (各々が自身の経験や価値観に基づき必要な業務を想定しています。)そのため、合計金額のみで比べてしまうと「後々になって必要な項目が抜けている事が判明する。」、 「業務範囲の捉え方の違いが原因で、確かなノウハウを持つ割安な業者が除外されてしまう。」など、経費削減の過程で管理運営体制そのものに様々な歪みがでる事に繋がりかねません。
    そういった問題を未然に防ぐためにも、合計金額のみを比較するのではなく、必ず単価の一つ一つを比較する事により、見積もりの業務範囲や内容をきちんと把握した上で、金額の比較を行うようにしましょう。

  2. 金額は開示しない
    PM業者など不動産管理運営のプロは、各種業務に必要な数量や工数などを計算し、管理仕様書を自らの手で作成します。
    そして、その仕様書に即した見積もり書の作成を各業者に依頼し、その内容を精査・比較している為、プロが依頼者の場合には後から業務範囲の捉え方などで問題が発生する事は非常に少ないのです。
    しかし、一般の個人大家さんが物件に適した管理仕様書を作成するのは、ちょっと無理があります。かといって、普通に複数の業者に見積もりを依頼した場合も、業者から出てくる見積もり形式はバラバラな為、「単価を正確に比較する」のは少し難しいのが現実だと思われます。
    そういった現実からでしょうが、始めて管理経費を見直す個人大家さんの場合、きっちりと見積もりを比較するために「業者が作成した見積もりをコピーし、そのコピーを基に他の業者から同じ形式での見積もり作成を依頼する」といった光景が良く見られます。
    但し、その際に絶対にやっていけないのは、単価や合計金額が記載されている箇所を消さずにコピーをして他の業者に見せる事です。そもそも見積もり金額を他社に見せて交渉するような行為は、非常にアンフェアな行為あり、道義的にも許される行為ではありません。
    したがって、そのような常識外れの行為を取ると「どのような弊害が起こるのか」については、当サイトで説明する必要も無い気もしますが、ご参考までに(弊害についての説明)にメモを書いております。

  3. 相見積もり先の業者を既存業者のたたき台に使わない。
    "後出しジャンケン"が、いけない行為である事は子供でも知っています。しかし残念ながら、「いい大人が、しかもビジネスの場面で"後出しジャンケン"を容認」しているケースも稀にあるようです。 ここで説明する"後出しジャンケン"とは、「依頼する業者は最初から決まっているにも関わらず、他社にも相見積もりを取る行為」の事です。具体例を上げると、相見積もりの結果、他社の方が安ければ、最初から決めていた業者にその金額まで値下げを要求し、決めていた業者に発注するのです。
    相見積もりに負けても仕事をもらえる業者からすると、「どっちにしても仕事はもらえる。」訳ですから、本気で見積もりを出す必要がなくなる訳ですから、相見積もりを取っているつもりでも、実は業者一社から見積もりを取っているのと何ら変わらない事になります。 勿論、信頼できる業者に仕事を任せたい気持ちは、解りますが、ビジネスには適度な緊張感が必要なのではないでしょうか?
    又、かなり信用できる業者で、基本的にはその業者に任したいのであれば、例えば「金額に1割以上の差がつけば、新規のA社。一割以内の差であれば、既存取引先B社」というようなルールを、A社・B社それぞれに通知した上で見積もりを依頼するのも一つでしょう。
尚、EVや機械式駐車場などを製造メーカー以外の独立系メンテナンス会社に切り替えるのは抵抗をお持ちの方も多いかと思います。 ここで、独立系メンテナンス会社の良し悪しについて事細かに記載は致しませんが、今のところ当サイト管理人も独立系メンテナンス会社への切り替えに関しては消極的な立場を取っております。
だからといって、既存契約先のメーカーに対し、やみくもに価格交渉をしても、そう簡単にはコスト削減に応じてくれないのがメーカーです。(だからこそ独立系のメンテナンス会社が着実に契約台数を増やせるのでしょうが・・・。)
当サイトで、「EVの停止階数と積載容量ごとのフルメンテナンス契約とPOG契約の底値予測」をメーカー別に一覧表にして掲載できれば簡単なのですが、守秘義務の観点からも同義的にも難しいものがあります。
では、一体どのようにEVのメンテナンス費を下げるかというと「メーカーとの直接契約」から「ビルメンテナンス又はPM業者を通したメーカーとの間接契約」へと切り替える方法があります。 ビルメンテナンス業者は、個人オーナーさんより遥かに安い金額でメーカーを使っている事が殆どですので、ビルメンテナンス業者が多少の利益を乗せたところで、個人オーナーさんがメーカーと直接契約で支払われている金額より安い金額での提案が可能なはずです。
又、NOI計算時には、上記に記載した掃除などの一般的な維持管理費用以外に固定資産税、火災保険料、共用部に必要な水道光熱費なども費用として計算しますので、見直せる範囲で見直しましょう。 特に火災保険などはあまり手間を掛けずにコスト削減ができるのではないでしょうか。 (固定資産税も課税台帳を精査し役所の間違いを指摘すれば、減額及び還付が可能になる場合もあるようですし、そのテクニックやコツも教えて頂いた事はありますが、当サイト管理人もまだ実務経験が無いので確かな事は言えません。その内、機会があればチャレンジしてみたいと考えております。)
尚、このページでは、「収益物件の売却価格を上げる」という着眼点から、管理費の見直しを説明している為、「NOIに関係するランニングコスト」にしか触れていませんが、当サイト管理人の経験でいえば、売却価格には殆ど効果がないものの「原状回復などに伴う修繕費用など」を見直した方が、保有期間中のコスト削減メリットは大きいように感じます。 (ぜひ、ここまでの内容を参考に修繕費用などの見直しにも取り組んでみて下さい。)
売却開始前に収益物件の収益力を上げるお手伝いをさせて頂く「管理コスト削減サービス」を開始しました。サービスについての詳細は、当サイトスタッフまでお気軽にお問合せ下さい。
(現在、関西エリアのみのサービスとなっております。又、時期などにより、当社担当者のスケジュールが付かない場合、お断りさせて頂く事がある事をご了承下さい。)

A利回りについて
利回りを決定する要素は、「リスク」です。収益物件のリスクが高くなると、それだけ利回りも高くなり、結果的に売却価格が下がる事になります。 では、リスクとは一体何の事を言うのでしょうか?ファイナンスでは、「ある事象の変動に関する不確実性」の事を投資リスクと言います。つまり、確実に○○円損をすると解っている場合は、リスクとは言わないのです。 ちなみに、ファイナンスでは不確実性は全てリスクと表現しますので、収入がUPする事もリスクと言いますが、キリがなくなるので、ここではリスクの事を「不動産投資において、計画より収益を減少させる恐れのある不確実な要素」とひとまず置き換えさせて頂く事とします。
大事な事は、一体どのようにすれば、「リスク、つまり売却時の取引利回り」を抑え売却価格を上げる事ができるかです。当然ですが、「収益物件の投資リスク」には、残念ながら所有者の努力では、何ともしがたいリスクもあります。 しかし、その一方で所有者の努力次第で改善できるにも関わらず、改善されないまま売りに出されている事の多いリスク要因もあります。まず、リスクを改善が可能なものと困難なものに別け、その後に改善可能なリスクについてご説明をしていきたいと思います。

所有者が自身でコントロールできない代表的なリスク要因は以下の通りです。
立地リスク
当たり前ですが、立地を動かす事は不可能です。
近隣に嫌悪施設が建設されるリスクや人口減少などが、立地リスクとなります。(人口増減率を正確に予測する事は困難です。)
東京・大阪などの大都市と比べ、地方物件の利回りが高いのは、空洞化など今後の人口動向が懸念されている表れといえます。
尚、街並みがオフィス街から住居エリアに変容し、需要とのミスマッチが発生するケースなども、広義の立地リスクと言えます。 ちなみに事務所から住居へのコンバージョンなど、たまに用途転用の成功事例などがHPに掲載されていますが、環境に与える影響は別として、投資効率を考えれば立て直した方が良いケースが殆どです。 又、投資効率を考えると、用途が同じであってもワンルームからファミリータイプなど、間取り数を大きく増やす場合でも同じ事が言えます
敷地面積・形状リスク
隣地への買い取り交渉などにより、改善可能な場合もありますが、投資額に見合う成果が上がるとは限りません。(改善に必要な費用が、価値上昇額に見合わなければ、リスクをコントロールできているとは言えません。)
又、隣地所有者との折衝など、相手方の同意が必要な項目は、所有者の努力だけで解決できるものではありません。
人口動態リスク
人口減少・高齢化による世帯所得減少などは、将来の入居率や賃料単価を押し下げるリスクとなります。
人口減少や高齢化は、大きな括りで考えると立地リスクと言えます。(国や地域によっては、特に懸念すべき問題となっておりません。)
将来の人口動態は、正確に予測する事もコントロールする事もできません。
不動産市況・経済動向リスク
賃料収入は、企業の利益や家計所得の影響を受けます。デフレによる不動産投資市場の冷え込みによるリスクは記憶に新しいところです。
又、金利上昇などによる「実質インカムリターンの低下」や「期待利回り上昇(不動産価格下落)」は、不動産投資を行う上で最も気をつけるべきリスクの一つと言えます。
用途・構造リスク
築古物件で現在の基準と比べ耐震性に問題がある場合、数値(PML)だけなら耐震補強により改善できますが、大梁やブレスが必要になるため、入居者誘致の観点に立つと難しい問題です。
又、昨今の収益不動産に対する融資環境を見ると既存不適格であっても徐々に融資条件が厳しくなってきております。このような状況では、大阪で良く見られる「検査済書の無い収益物件」や「容積率オーバーの収益物件」など、遵法性を満たしていない収益物件の場合、正直言って殆ど手の打ちようがありません。遵法性に問題のある収益物件を売却する必要がある場合、将来を考えると、ある程度思いきった売却価格で売りに出された方が良い結果を生むかもしれません。
その他、ビルでもマンションでも天井高は高くなる傾向にありますが、これらも簡単に解決できる問題ではありません。
築年数リスク
1年経てば築年数が1年古くなるのは、誰にでも解かる事ですので、リスク(不確実性)には当たらないという考え方をする場合もあるようですが、築年数が経過するにつれて、予測困難な修繕コストが突発的に発生する確率が高まる為、一応こちらに記載しておきます。
但し、適切に管理運営が行なわれている場合、ある程度計画の範囲内で修繕を実施していく事が可能になるとは思います。
地震リスク
地震リスクは、地震保険により建物損害金額はある程度コントロール可能と言えます。但し、工事期間中の賃料減額リスクやテナント再募集などの費用までをカバーする保険はそうない筈です。
又、神戸のオフィス賃料単価を見ると、未だに阪神大震災の爪痕が残っているように映ります。従って、やはり地震リスクはコントロールが困難と考えておいた方が良いかと思います。


所有者の運営努力によりコントロール可能な代表的リスク要因は以下の通りです。
入居者リスク
万が一の紛争に備え、契約時に契約者・保証人の両者から印鑑証明と住民票を受領しているか?(契約書の捺印は実印か?)
家賃滞納者の割合が高くないか?反社会勢力は入居していないか?(適切に入居審査が行われているか?)
保証人に対する保証意思の確認を行っているか?(電話での意思確認日など、記録は取っているか?)
保証人の代わりに家賃保証会社を使用している場合、与信が高い家賃保証会社を使っているか?
入居者から過去に寄せられたクレームの中で未解決のまま放置しているものはないか?クレームの対応履歴を記録・保存しているか?
現在の未収家賃のみならず、過去の未収状況も記録しているか?
など、「入居者との間で取り決めができていない項目」をそのまま放置したままになっていないか。
賃貸契約書リスク
賃料改定や入居者変更(法人成り含む)が行われた場合、書面による合意を取っているか?(保証金の返還請求権は誰が有しているのか?)
賃貸契約書や特約に記載されていても無効になりえる「敷引や原状回復義務」について、問題を回避する記載方法がなされているか?
居抜きで入居した店舗に対する契約書には、設備修理の負担者や原状回復時の負担区分が明確に記載されているか?
築古物件の場合、将来の立ち退きに備え、定期借家契約が結ばれているか?
空室リスク
ここでいう空室リスクとは、立地や経済動向などにより空室が発生するリスクではありません。例えば入居率が80%に留まっている物件であっても、今後も現状の賃料単価で80%のまま稼働していくとほぼ確信するに足る材料があれば、それは空室リスクとなりません。逆に売却中に満室稼働していても、購入者から見てそれが、「一過性のものなのか」、「賃料単価を維持しながら満室稼働が見込めるのか」きちんと判断できる材料がなければ、購入者から保守的(マイナス要因)に判断される事になります。
当サイト管理人が収益物件を見る時も、例え現在満室であっても、稀に現行賃料の75%程度でしか収支計画を組めない物件もあります。
購入者は、現在の入居率だけでは無く、過去3年〜5年の入居率推移が検証できれば、空室リスクに対し、必要以上に高いリスクプレミアム(利回り)を要求する事は無いでしょう。(例えば、1年前から入居率が悪化している場合、その原因が明らかになっているかどうかで、投資家の購入心理は大きく変わります。)
境界リスク
境界についての明示も、ここ数年で随分と金融機関が気にするようになってきたように実感します。過去に隣地とイザコザなどが無ければ、境界確定や越境時の覚書などは、購入者側より売主側でされておかれた方がスムーズです。
売却価格の最大化を目指すのであれば、将来のトラブルになりえる事は売却開始前の段階に片づけておきましょう。

上記表の中のコントロール可能な項目をご覧頂ければ、運用履歴の有無について触れられた項目が多い事に目が付くかと思います。
これらを読まれて、運用履歴などなくても「入居率が高く高収入でさえあれば充分高値売却可能だ」と感じられた方もおられるかもしれません。確かに最近まで、同程度の立地・築年数・グレードの収益物件であれば、殆ど同じ利回りで取引される事が一般的でしたから、高収入イコール高値という式が成り立っていた事は事実です。
しかし、ここ数年で収益物件市場での収益物件を評価する尺度が大きく変わり、運用履歴が保存されていない物件は、購入者や融資を行う金融機関から投資リスクが高いと判断され、高い利回りでの取引を要求される傾向が強くなっており、この傾向は今後ますます強くなる事が予想されます。(これら運用履歴を記録したデータベースを総称してトラックレコードと言いますが、その有無や内容によって融資金額に大きな差が出る傾向にあります。)
ここ数年の取引事例を比較してもらえれば、収入が高くとも「運用履歴の開示」や「遵法性の確認」ができない物件は、高利回 り(安値)でしか取引されなくなってきている顕著な傾向が実際に確認頂けると思います。

利回りが価格に及ぼす影響
利回りの変動が、収益不動産の売り出し価格に与える影響は、思いのほか大きいものです。
例えば、年間賃料収入が1000万円の物件があったとします。利回りが上下に1%変動した場合に売り出し価格がどう推移するか見てみましょう。

表面利回り10%で取引される場合 1000万円÷10%=1憶円
リスクが上がり、表面利回りが11%になった場合 1000万円÷11%=約9090万円
リスクが上がり、表面利回りが9%になった場合 1000万円÷9%=約1憶円1111万円

「表面利回りが11%の場合」を例に取ると、年間賃料のUPにより売却価格を「表面利回り10%での取引額1億円」に戻そうとした場合、年間賃料を1000万円から1100万円へと1割も引き上げなければなりません。物件全体の年間賃料を1割引き上げる事がいかに大変な事かは、実際に収益不動産を所有するオーナーさんには説明する必要もないかと思います。
物件の年間賃料を1割引き上げるには、既存の入居者にも値上げを飲んでもらう必要があるため、改修工事によるなかなか難しいものです。
それに比べ、トラックレコードの蓄積には殆ど投資も必要なく、物件の価値を向上できるのです。手間が煩わしくて、とても出来ないと思われるオーナーさんは、今の管理会社に月次と年次書類の作成と提出を求めるべきです。もし、これらの書類の作成が出来ないと返答された場合は、管理会社の変更をお勧めします。
良い管理会社の見つけ方は、「管理会社選びのコツ」をご覧下さい。収益物件オーナーさんが、不動産経営で成功する上で、必読の内容となっております。